はじめの1歩
2019/10/16
そこから伝説ははじまった…
なんて、いつか言われる日が来る
かも知れない
ちむぐくる全国ツアー
唄の贈り物-思いやりの旅in栃木
は、俺の無謀な思いつきから始まった。
7月にオリオンスクエアで行われた「風人の祭り」という沖縄のイベントに
俺の師匠でもあるAKIRA兄さんが出演していたので聴きに行くと
兄さんの次の番だったのが「ちむぐくる」だった。
何気なく聴いた「ちむぐくる」の歌は
一瞬で俺の心を打ち砕いた
歌唱力、歌詞、ギターパフォーマンス、振り付けなど
一切非の打ち所がないステージパフォーマンスに俺は立ちすくんだ。
ちむぐくるがステージを終えたあと、本人たちに会いたくてグッズを見にブースまで行くと
人当たりの良い二人が、丁寧に対応してくれた。
俺はCDとストラップを買い、3人で写真を撮ってもらった。
ちょうどそのとき兄さんが後片付けが終わったので、兄さん達とお昼を食べに会場をあとにした。
それから約1時間後ぐらい
お昼を食べて駐車場に向かう途中、あることに気づいた
「ちむぐくるから買ったストラップをもらってきてない」
お金を払ったのはいいが、もらってくるのを忘れたのだ。
慌てて会場を探すが、ちむぐくるはもういない…
と、諦めかけたそのとき
茨城で夕方から行われるライブに出演するために急いでいた、ちむぐくるを出発寸前に発見
ストラップの件を伝えて、無事にいただき
車で走り去る二人を見送ることが出来た。
帰宅したあとバカなことを思い付く
「ちむぐくるとライブがやりたい」
俺たち(ととろん&ユーコン)はただの素人
ちむぐくるは沖縄のデュオだし、プロだし、パフォーマンスは素晴らしいし
一緒になんて普通なら考えないのだが
バカはバカなんで、ちむぐくるにこんなメッセージを送ってしまう
「私達と一緒にライブをやりませんか?」
だいたいこの手のメッセージは
「いいですね、いつかやりましょう」
で、終わる。
ところが、しばらくして
ちむぐくるからメッセージが来た
「10月に栃木に行くんでどうでしょう?」
10月15日に「風人の祭り アンコール」という平日開催のイベントに再びちむぐくるが出演するから、その次の16日でいかがでしょうか?という提案
もちろん考える理由もなく、それでお願いした。
会場もあてはないし、自分たちのパフォーマンスも自信も無かったが
メッセージをもらってからライブ開催の日までけっこう時間があったから余裕をこいていた。
現実を見ずに、夢ばかり見て
最初は「若竹農園」さんという竹林のステージでやるつもりだったり
人がたくさん来たらどうしようか?なんて考えたりもしていた。
ところが、日が立つにつれ
現実が見えてきた。
自分たちだけでやるなら、適当でも責任は自分たちで取ればいい
だけど、ちむぐくるのライブを無責任に運営することは出来ない
お客様が来ないなら来ないでいい…
みたいな気持ちではいられない
悩んだ末に、師匠でもあるAKIRA兄さんに相談すると
「悠日カフェを使えばいい」とアドバイスをもらった。
兄さんが昔から愛用している聖地のようなライブステージだ。
早速伺ってみると、兄さんが「頼ってみなさい」と言っていた悠日カフェのオーナーの柏崎さんが脳梗塞で倒れて療養中だと奥さまから知らされた。
しかし、奥さまが丁寧に対応してくださり、無事に会場は確保
チラシもすぐに作り、知り合いの店や沖縄関連の料理屋さんで置いてもらい、ジモティーやSNSでも情報を拡散
イベントなどでもチラシを手配りしたのだが
全く反応がなかった。
ライブ前日まで悠日カフェに申し込む予約の電話は0。
俺の友人たちから「行くね」と言われていたのが5人くらい
ちむぐくるへの出演料、会場の使用代金など
どう考えても大赤字
途中何度も何度も、中止にしようって考えた。
だけど、単純にちむぐくるが見たかったし
俺自身も悠日のステージに立ちたかった。
そのチャンスを目の前に「赤字」なんて言葉はないってことに気づいた。
高いゲーム機を買うのと、一生に一度あるかないかのチャンスを同等の価格で買えるとしたら
俺は間違いなくチャンスを買う。
それでいい
そう誓った。
ライブ当日
聖地の空気は澄んでいた。
到着したちむぐくるのリハーサルの張りつめた空気にプロの世界を感じた
俺たちもリハーサル中、いつもとは違う緊張感で張り詰めていた
リハーサルが終わっても、俺はギリギリまで集客をあきらめなかった
ちむぐくるを知って欲しい
俺たちのメッセージを受け取って欲しい
その願いを込めて、粘った
結果、大人10名と子供が数人集まってくれた
そして、この日集まってくれたみんなは
伝説の幕開けを見届ける証人になった。
ちむぐくるのライブは極上のエンターテイメントだった
誰1人置き去りにしない
会場全員が1つになれる最高のパフォーマンス
そのステージを見ながら俺は涙が溢れた
オープニングをつとめた俺たちも
課題は山積みだが、やれることはやりきった
結成から半年で聖地である悠日のステージに立てた
簡単なようだが、その準備や道のりは簡単ではなかった。
アンコールでちむぐくると同じステージに立てたのも嬉しかった
ライブをちむぐくるに申し込んだ日には想像も出来なかった未来がそこにはあった。
動き出す。
それが大切なこと。
行き詰まるからこそ、抜け出せる。
迷路に入らなければ、その先の景色は見られない。
伝説の記録は確かにしたためた。
悠日カフェのサインが並ぶ大谷石の壁に証を残した。
ちむぐくる、ととろん&ユーコンのサイン
そしてその隣には同じ栃木ののれん分け「もんとにほー」や兄さんのサインも並ぶ
来年から世界ツアーを回るちむぐくる
帰ってきたら栃木で再び悠日でライブをやることを約束した。
俺たちもちむぐくるも成長して
そのときには会場を満員にする
今回はそのときのための付箋なのである
「はじめの1歩」が無くては
誰も前に進めない
ちむぐくる、本当にありがとう!
来てくれたみんなも本当にありがとうございます!
悠日カフェの柏崎夫妻にも心から感謝しています。
そして来られなかったけど応援してくれたみんなにも本当に感謝!
ちむぐくるとは必ずまたライブやりますんで、お楽しみに❗